市場の動向
歴史の常として、経済的な発展を遂げた後には、文化・芸術的な発展が始まります。今の中国はまさにこの状況にあり、量よりも質や美を求める傾向が強くなってきています。女性の美容やアンチエイジングに対する意識も急激に高まっていて、大いなる可能性を秘めた状態にあると言えます。
ただ、まだまだ未成熟な部分も多く見られ、サービスのレベルやドクターの技術も、クリニックによってかなり差がある状態です。
よって、日本の医療技術やサービスが求められる局面がたくさんあると考えられます。
中国美容医療の問題点
昨今、美容大国である韓国から、ドクターが出稼ぎで中国へ赴き、適切ではない手術を繰り返すという事案が相次ぎ、社会問題にまで発展しました。ただ、そういった背景もあり、日本のドクターへの信頼感や期待感はますます高まっています。
また、日本では当たり前のように使用している医療機器や薬が、なかなか使えないという現状もあります。メスを使う手術以外の選択肢が、日本と比べて格段に限られているため、手術の腕に自信があるドクターには、向いているかも知れません。
患者さまの傾向
中国も日本も、「美しさ」のトレンドには、大きな差はありません。実際、日本の女優やアイドルの顔を目指して来院される患者さまも少なくありません。
違う部分としては、まず美容に対する知識のレベルが、日本とくらべて格段に低い点が挙げられます。日本の患者さまのように、来院する前に、あらかじめインターネットを使って必要な情報を調べてから来られる方は、あまり見られません。
また、結果に対する感情表現がストレートなこともひとつの特徴です。ただ、情に厚い一面もあるため、ひとたび信頼を勝ち得ると、⻑く指名していただける固定客となる可能性が高く、手術をしてもらうために、中国から日本のクリニックまで来られる患者さまも少なくありません。